ビオラで楽しむ
ハンギング作り

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ハンギング作りに挑戦してみませんか?

パンジー・ビオラは寒さに非常に強いだけでなく、色幅が非常に富んでいるということもあって秋~春の代表的な花壇苗として知られています。ホームセンターなどで苗を購入してから花を楽しむというのが一般的でしょうが、お好みの品種が店頭にない場合はぜひタネから育てて楽しんでいただきたいと思います。今回紹介するハンギング作りでは、開花性および分枝性に優れたビオラのタネをまいて、小さな段階で植え込むことにより9~10月に生育を促し、秋の早い段階から花を楽しむことを目標にしました。実際の手順を紹介しましので、挑戦してみましょう!

タネまきの準備

ホームセンターなどで売られている育苗用のセルトレイを準備します。128穴のセルトレイが作業の簡便さからおすすめしますが、他のサイズでも使用可能です。セルトレイにタネまき用の培土をつめてジョウロなどで水をやります。

できるだけ細かい水滴になるようなジョウロなどを使ってたっぷり水をやりましょう。その後、指などで5mm程度の穴を開けます。

タネをまきます

紙コップなどを縦半分に切ったものを使用します。ピンセットなどを使って1穴に2粒程度タネをまきます。このタネまき方法はタネの小さい種類の草花にはおすすめです。

タネをまき終えたら、バーミキュライト等でタネが隠れる程度に手またはふるいなどを使って均等にふります。

タネまき用の土でも代用可能ですが、保水性と排水性を兼ね備えたバーミキュライトをおすすめします。品種名やタネをまいた日などを記入したラベルをつけておくと便利です。

ジョウロやホースに蓮口をつけてたっぷりと水をやります。土が動いてタネが流されるのを防ぐため、ジョウロの口を上向きにしてなるべく霧状にしましょう。

苗作り中の管理

30℃以上の高温では発芽力が低下するので直射日光のあたらない半日陰で通気性のよい場所に置いて発芽させます。発芽するまでは雨天時以外は毎日午前中軽めに水やりをします。午後も3時くらいまでは表面が乾いたら同様に水をやります。バーミキュライトを使用した場合は土の色がやや薄くなりますのでこれを水やりの目安とします。

およそ1週間で発芽します。高温等でやや発芽がばらつく場合がありますが、発芽し始めてから5日程度でほぼ発芽します。

発芽がほぼそろったら、1セルに1本になるように間引きします。なるべく大きな苗を残して、小さな苗をピンセットなどでゆっくりと根を切らないように上に引き抜きます。間引いた後は、ジョウロなどで軽く水をかけて馴染ませます。

タネまき後、約2週間で本葉がでてきて徐々に生育が進みます。このころになると水やりは表面が乾くのを目安に行います。

植え替え

8月初旬にタネをまいた場合9月上旬、約40日程度で植え替え時期になります。

本葉で7~8枚になり隣の苗と重なってきます。直径約5mm程度の箸のような棒を使って苗だしを行います。セルの下にある穴に棒を押し込んで苗を植えに出します。穴が小さいセルトレイの場合は穴のサイズに合わせた棒を使用します。

根が全体に回って土が崩れないようであれば植え付け適期です。

鉢の準備

ハンギングにはホームセンターなどで販売されている壁掛け用の穴のあいた半円形の鉢を用います。

ペットボトルのふたなどを使い穴をあける場所に印を付けます。

プラスチック専用のカッターを使って印に沿って数回に分けて少しずつ切り込みを入れて穴をあけます。必ず切創防止の手袋を着用します。

プラスチックの鉢はかたくない物が比較的作業が容易で、また光沢のない鉢の方が切りやすいでしょう。

植え付け

鉢に土を入れます。土は市販のプランター用培土で草花園芸用を用いることをお勧めします。

セルトレイで育苗した苗を1株ずつ外側から穴に差し込みます。

ホースにノズルを付けてたっぷりと水を与えます。

植え付け終了です。鉢の色を変えると雰囲気も変わります。

楽しみ方

ラティスフェンスなどに鉢を掛けます。

生育が進むと次々と花が咲き出します。

ビオラやパンジー以外でも同様な方法でハンギングを楽しめます。通常のプランターとして再利用する場合は、土がこぼれないように水苔などで穴を防ぎます。

ヤシガラ鉢の場合の植え付け

ヤシガラは、プラスチックの鉢より加工が簡単です。また切り込みを入れているだけですので、終了後の再利用も可能です。

ハサミなどを使って苗を植える場所に3㎝程度の☓印の切り込みを入れます。

切り込みの下まで園芸用の培土を入れます。

鉢の外側からセルトレイで育苗した苗を差し込みます。

ホースにノズルを付けてたっぷりと水を与えます。

その後の管理

ヤシガラ鉢は乾きやすいので、こまめにチェックして極端に乾かさないように管理します。

生育が進み花が次々と咲き出します。

翌年の3月になるとボリュームのあるハンギングになります。

側面に穴をあけない鉢の場合。側面に穴をあけた方が立体感がでます。

ラティスフェンスなどにかけてボリュームのある株を楽しめますが、可能なかぎり日当たりがよい場所に置きましょう。霜にあたらない場所におくとより株の傷みが軽減され、春まで充分楽しむことができます。

タネから育てる楽しみ

タネから育てることができるようになれば、花作りの楽しみは一気に広がります。ほんのわずかな場所さえあればセルトレーで苗を育てることは可能で、花壇など十分な場所がなくとも、ハンギングでなら華やかさを演出できます。更に上達すればユニークな品種を見つけて自分なりのアレンジも楽しめます。皆さんもぜひ挑戦してみて下さい。

トーホクでは多くのパンジー・ビオラ品種を販売しております。好みに合った品種を探してガーデニングをお楽しみ下さい。