ユウガオ

 

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①栽培特性

ユウガオはつるの伸長が旺盛ですから広い面積を必要とします。つるは地面を這わせますからわらなどを使いますが、最近はホームセンターでも購入できます。また手に入らない場合は落ち葉でも良いでしょう。ユウガオの花が咲く頃は受粉をする昆虫が多くいますが、人工授粉をするとより確実に実を着けることができます。ただしユウガオは夕方5時過ぎから花が咲き出しますので覚えておきましょう。病気にもかかりにくいので比較的作りやすい作物ですが、畑に肥料分が残っている場合や、多めに肥料を施したりすると花が咲いても果実が着かないつるボケとなるので注意しましょう。またユウガオは極々まれではありますが、栽培環境によっては(高温・乾燥など作物にとって過酷な生育環境の場合など)苦みの強い果実が成る場合があり、苦みを我慢して食べるとおう吐や下痢などの食中毒症状を起こす場合があります。強い苦みがあれば食べないような注意が必要です。

②畑の準備

連作障害の少ない作物ですがウリ科野菜との連作は避けます。植えつけの約2週間前には1㎡当り堆肥3kgと苦土石灰100gを施し、よく耕しておきます。その後、植え付け前に化成肥料を1 ㎡当り50gを施しうねを立てます。

うね幅90cm、高さは15cm位が最適ですが、排水の悪い畑ではもう少し高いうねを立てるとよいでしょう。マルチを張ると雑草防除と地温確保、土壌水分保持に有効です。

つるを伸ばす方向を決めてうねを作る必要があり、つるを伸ばす場所としてマルチの端から少なくとも3m位のスペースは確保しておきます。

③タネまき・育苗

直接畑にタネをまくこともできますが、通常ポットにまいて苗を育てます。発芽適温は地面の温度で25~30℃ですから、気温が比較的高くなってからまきましょう。直径10~12cmのポットに市販の育苗培土をつめ、深さ2cm位の深さにタネをまきます。

タネはポットに2~3粒くらいが目安です。土をかけて上から軽くおさえ、最初はしっかり水をやります。苗は日当たりの良い場所で育てましょう。本葉が出たら間引きをして、ポットに1株にします。

育苗中に肥料が切れることの無いように薄めの液体肥料をやると良いでしょう。

④植えつけ

本葉3~4枚の頃に植えつけます。株間子づる2~3本を伸ばす栽培で2mが適当です。深植えを避けてうね面と同じ高さになるようにポットがすっぽり入る位に植え穴をあけ、根鉢をくずさないように注意して植えます。

天気がよく、風の弱い日に植え付け、その後しっかりと水をやりましょう。植えつけた後、遅霜の恐れがあるときはホットキャップなどを利用します。

⑤整枝管理

最初に伸びてきたつる(親づる)を5~6枚目で芯を摘みます。

脇から出てきたつる(子づる)を2~3本伸ばします。

つるを伸ばしたい方向に向けてやり、マルチから出る前にわらなどを敷いておきましょう。

子づるから出た孫づるの第1節に雌花が咲きます。その雌花の葉を1枚残して孫づるの芯を摘みます。

⑥人工交配

ユウガオは夕方から日没にかけて白い花を咲かせます。通常夜蛾(ヤガ)などが受粉してくれますが、人工交配を行えば着果を確実にできます。

人工交配を行う場合はなるべく咲き出しの5時ごろに行います。

ユウガオの雌花

ユウガオの雄花

⑦追肥

1番目の果実が着果したら1株あたり化成肥料30gをつる先に追肥します。その後も草勢に応じて化成肥料30gを数回追肥します。

⑧ 収穫

花が咲いてから2~3週間、果実の長さが40~70cmになり、果実表面のうぶ毛がとれて来たら収穫できます。その後は果実表面に軽く爪で傷がつく頃まで収穫適期です。

ユウガオは生育環境によっては(高温・乾燥など、作物にとって過酷な生育環境が続くと)苦みの強い果実になる場合が極まれにあり、苦みを我慢して食べるとおう吐や下痢などの食中毒症状を起こす場合があります。強い苦みがあれば食べないような注意が必要です。

またこのような状況を回避するため、気温が高く日照りが続くようなら、夕方の株元や通路へのかん水などが効果があります。