ナス

 

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①作物特性

ナスは寒さに弱いですが、暑さに比較的強く水も好みますから高温多湿の日本の気候によく適している作物です。生育初期の寒さ対策をしっかりして、8月頃に切り返し剪定をすれば霜の降りる頃まで長く収穫を楽しめます。野菜の中でも特に連作を嫌います。ナスだけでなく同じナス科のトマトやジャガイモ、ピーマンなどとの連作も避け、3~4年の間隔をあけます。栽培が長期に及ぶので地力のある日当たりの良い畑を選びます。またナスは木の勢いが衰えると良い実を成らせることができません。有機質肥料なども使って肥料切れを起こさないよう注意して観察することがポイントです。ナスには様々な品種があり、浅漬け、炒め物、揚げ物、煮物、田楽などなど、調理方法に合わせた品種を作ってみるのも家庭菜園ならではの楽しみでしょう。

②畑の準備

ナスは連作を嫌いますから、3~4年の間隔をあけましょう。また、同じナス科のトマトやジャガイモ、ピーマンなどとの連作も避ける必要があります。植えつけの2週間前には1m²当たり堆肥3kg、苦土石灰100gを施し良く耕しておきます。その後植えつけ前に化成肥料100gを施し、幅60cmのうねを立てます。うねの高さは15cm位が最適です。

③タネまき

ポットに市販の培養土を入れ、深さ5mm程度の穴を少し離して3カ所あけます。1カ所に1粒ずつタネをまきます。

土をかけて手で軽く押さえます。水をたっぷりかけ、発芽まで乾燥させないようにします。

本葉2~3枚の頃までに生育の良いものを残して他は間引き1本にします。育苗中は充分に日光に当て、葉が厚く節間の短いがっちりとした苗を作りましょう。

乾き過ぎないように灌水し、週に一度程度薄い液体肥料を与えます。

本葉6~7枚になり最初の花が咲いた頃が植えつけ適期です。

④植えつけ

雑草防除と土壌水分保持のためにマルチを張っておきます。一般的には地温を確保するため黒マルチを用いますが、アブラムシの飛来をできるだけ少なくするために黒色にシルバーラインの入ったマルチが特におすすめです。

株間は50cm以上が理想的です。植えつけ時に苗の周囲がやや高めになるように土を戻します。ナスはなるべく地温が高い方が根付きが良いので、植えつけは天気の良い日にしましょう。

植えつけた苗がぐらつかないようにすぐに短い支柱で支えます。

⑤管理作業

ナスは最初に咲いた花(1番花)のすぐ下のわき芽を2本伸ばして、主枝と合わせて3本仕立てにします。その後出てくる他のわき芽は早めに摘み取ります。

伸ばしたわき芽が伸びてきたら枝に沿うように支柱を斜めに立て、その後この側枝を支柱に固定します。

両側にしっかりとした支柱を立て、両側からテープで枝を誘引するのも有効です。

⑥追肥

ナスは生育期間が長いので、肥料切れにならないように注意します。実がなり始めたら2週間おきに1株当たり化成肥料50gを追肥します。

その後は草勢を見て必要に応じて即効性の化成肥料を与えると良いでしょう。特に植えつけた後に新葉が出てきた頃は、よく観察して施しましょう。

⑦その他の管理

ナスの根は非常に乾燥に弱いため、地面を乾かさないことが大切です。雨が少なかったり、暑さのきびしい時は、株元にしっかりと水をやります。ダニの発生を予防するために、農薬などを適切に使って定期的防除しましょう。

8月頃、更新剪定(こうしんせんてい)または切り返し剪定を行います。真夏になると株が暑さで元気がなくなることがあります。そこで8月になったら主枝や側枝を先端から半分程度の位置で剪定します。

その時に株の周囲をスコップなどで深く耕し、追肥します。やがて元気なわき枝が出てきて実を付け、美味しい秋ナスが収穫できます。

⑧収穫

一番花の果実は株を疲れさせないため特別に10cm位のまだ小さいうちに収穫します。その後は花が咲いてから3週間位から収穫ができます。中長種は10~12cm、大長種は25~30cmが収穫適期です。果実の表面がピカピカしたつやのあるうちに収穫しましょう。