カブ

 

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①作物特性

私たちが市場で見慣れているのは白い小カブや中カブですが、実は栽培面積はわずかですが全国各地で多くの古い品種が、それぞれの地方の独自の風土や料理に根ざして残っています。色や形も様々で、調理方法によって使い分けされる個性豊かな品種を選ぶことも楽しみのひとつです。ただし小カブは生育日数も短いので家庭菜園で手軽に作れる品目ですが、連作すると根こぶ病が発生します。また春まきでは低温でトウ立ちする場合がありますので、病気に強い品種や春まきできる品種などを選んで栽培しましょう。
カブ栽培のポイントは良質な土づくりにあります。生育初期に乾燥すると根が割れ、過湿条件では肥大が遅れ不揃いになります。保水性・排水性が良く、有機質に富んだ畑作りが基本となります。また高温では尖りやすくなり、食味や品質が劣ってしまいます。暑い時期を避けて栽培しましょう。

②畑の準備

タネまきの1カ月前には1㎡当たり堆肥2kgを施し良く耕しておきます。その後苦土石灰を100g、化成肥料100gを施し、水が溜まらないよう70〜100cmの平らなうねを立てます。うねの高さは約10cmが適当ですが、水はけの悪い畑ではもう少し高くすると良いでしょう。

③タネまき

カブの種類によって植える間隔などを調整します。以下の表を参考にしてうねを作りましょう。

栽培規格例

タネは深さ1cm位のまき穴をあけ、1カ所に3〜4粒まきます。

一定の間隔になるよう、まき穴をあける道具を自作しても良いでしょう。

タネをまき終えたら土をかぶせ軽く鎮圧し、その後ていねいに水をやります。タネが流れることの無いように、水が細かくなるようなハス口のついたジョウロなどを使い、全体的にたっぷりやりましょう。

タネまき直後から防虫ネットなどをトンネル状にかけると、害虫予防だけでなく強い雨の被害も軽減でき、初期生育が安定します。

④間引き・土寄せ

本葉4枚の頃までに2〜3回に分けて間引きを行い、最終的に一カ所1本にします。間引き菜はおいしく食べられますので、おひたしや汁の実、浅漬けなどに利用します。

1回目の間引きは発芽して子葉が開いた頃に、1カ所から多くの株が生えた場所について行います。1カ所当たり2〜3株にします。その後は生育の様子を見ながら力強い株を残すように間引いていきます。最後の間引きの時に、株元に軽く土寄せします。

⑤追肥・中耕

最後の間引きの時に追肥します。小カブ・中カブの場合は追肥の必要はありませんが、大カブの場合は化成肥料30gを追肥します。追肥した後は肥料が土と混ざるように軽く表面を耕します。

⑥収穫

通常タネまきから収穫までの日数と適期の大きさは、小カブでは45日で根径5cm、中カブでは55〜60日で根径8〜9cm、大カブでは70〜100日で根径13〜15cmとなります。カブは肉質が柔らかく、収穫が遅れるとスが入り肉質が劣化します。また裂根が起こりやすいので適期収穫を心がけて下さい。

⑦その他の管理

春まき栽培の場合はビニールなどの保温資材をトンネル状にかけて栽培します。

⑧プランターでの栽培

小カブ品種はプランターで育てることができます。プランターには市販の野菜栽培用の培土を使うことをおすすめします。

約1cmの深さのまきすじをつけて、タネをすじまきします。

タネをまき終えたら軽く土をかけます。

その後、手のひらを使って鎮圧します。こうすることで水やりの際にタネが流れて行くことが無く、またタネがしっかりと吸水することで発芽が揃います。

芽が出てきてたら生育の良いものを残すように間引きます。

本葉が2~3枚の頃、株間を約1cmになるように間引きます。

さらに生育が進んできたら最終的に5~8cmのかぶまになるように間引きます。

間引き時に出る間引き菜は、いずれもやわらかく風味も良いのでおいしく食べることができます。

定期的に水やりで固まった土をほぐすように耕し、土の中に空気を含ませます。

適当な大きさになったら収穫します。一度に全部抜くのではなく、株間をあけるように大きなものから順に収穫すれば長く楽しめます。

生育期間を通して防虫ネットをかけておくと害虫被害を軽減できます。